似合わないネクタイ

カイツが珍しくスーツを着ていた。

俺は寝てたから分からないけど朝から出かけていたようで

帰ってきたのは5時過ぎだった。

「あれ?起きてた?それとも起こしちゃった?」

この店のオーナーの癖に裏口からなんて入らずどうどうと

正面口から入ってきながらカイツは平然とだが少し驚いたような顔で言った

「起きてた。気づいたらいなくておどろいた。」

俺はカイツを見ようともせずに、お気に入りのソファで仰向けになり

雑誌を読んでいた。

「ていうか朝から出かけるなんて珍しい」

夜生活してるくせにとつぶやくと

カイツはあははと苦笑するように笑い、スーツの上着を壁にかけた。

「ちょっと店の営業の件で話があってね。それで・・・ね。」

ふーんと相槌をうつとそれだけ?というように近づいてきた。

「あのさ、お帰りもなし?」

俺が寝転がっているソファの端に腰掛けて体を俺のほうにかける傾けて来た

「ねぇ、本が読めないんですけど」

「俺の存在は雑誌以下?」

「そうなんじゃない?」

と言うとあきらめたのか体を離した。

その瞬間、いきなり雑誌を取られて床に雑誌が投げられた。

「あっ!週間殺し屋!!」

とろうと思って手を伸ばすとそれはカイツの腕に遮られ、

「ちょっ何?いらがらせ!?」

といって正面、カイツのほうを向くと

カイツの顔が近くて

---あぁキスされる

と思った時はもうすでにキスをされていた。

「・・・っはぁ・・・・・・」

「ただいま」

「・・・おかえり」

と返すとにっこりを微笑まれそのまま体を引きはなす。

そのときだった,俺の目の上をネクタイがかすめていった


なんだ?

と思った時にはすでにネクタイをつかんでいて

体も戻す気満々でいたカイツには首が動かなくてうごっと言った

「あぁネクタイか」

「うん?そうだよ?」

ネクタイということが分かり手を離すとそれがなに?とカイツは聞いてきた。

「いやなにかなぁって思っ・・・て。ってそういえばカイツってネクタイもってたの?」

俺は一回もカイツがスーツを着たことなどよく考えれば見たことなかった。

だからネクタイも初めて見た。

「そりゃ持ってるよ一応な」

「ふーん。買ったの?」

というと

「い・・・いや、違うよ?」

というので

「ふーん。もらったんだ女の人?」

「そっそう・・・だけど?」

なんか一気に冷めてきた。もともとさめてたけど・・・

今の俺は氷点下5度くらいある。

「そのネクタイ似合わない」

まただ、気づいたらまた言葉にでていた

似合わないというよりも・・・

「そのネクタイ、俺嫌い・・・」

ということだろう。

「やきもち?」
そんな場面でその男は!!

しかも心なしか笑ってるし

「何で!!そうなる!」

と、殴ろうとするとうまく手首をつかまれ、

「嫌いなら、捨てるよ-----

そのまま顔が近づいてきて本日2度目のキスをした

心も体も溺れていく、そんな俺に

今度は一緒に買いに行こう-----」

とだけ聞こえた。











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お題2個目消化!!道のりはまだまだながい!!

てか週間殺し屋ってどんな雑誌だよ!!
たぶん殺し屋や賞金首狩りたちのための情報誌なんでしょう(笑
アバウトだなぁ