「月が綺麗だ・・・」
男は窓から月を見上げながらワインを片手にイスに座っている
周りに音なんてものはなく鳥の鳴き声さえも聞こえない
ただ・・・そこにあるのは静寂のみ・・・・・・
それでもそんなことはどうでもいいのだ。
「君はどこにいる?---------」
大切なのは君を見つけること。
僕は今まで待っていた。
ただひそっりと君のことを、大切な君の事を------
だからこれからは僕が君を迎えに行く。
-----------君の意思なんて関係ない。
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「だから、静かにしてくださいって!」
男はバーの店のカウンターの向こうでその前の席に座っている
10歳くらいの少女から必死に逃げいようとしている。
だが、その男の腕もしっかりとつかまれてしまっている。
「あなたの声が一番大きいわよ・・・」
声の大きさを少し落としながらも腕を放すことなく
少女は男を引き止める。
「今、もしあなたが行ったところで意味はないと私は思うけど?」
あぁ・・・どうしてこんなことになったのだろう・・・
俺は、君が、こんなにも・・・・・・好きなのに。
歯車はどこからずれた?
いや、はじめからずれていたんだ・・・
俺と君は。
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結局は裏切ることになった。
一番悪いのは自分。
そんなことは分かってる。
でも、俺は卑怯だからそんなことをわかっていても
自分を守ることが最優先なんだ。
「いつか・・・・・・」
最後に言ったのはそんな言葉だった気がする
結局俺は最後まで素直なんかじゃなかった。
その言葉をきっとあいつは今でも信じているだろう
でも・・・
俺は裏切ったから
100%そうだとは言い切れないから
最初の一歩が踏み出せないんだ。
だから
「ごめん・・・」
俺はただ君を信じるだけ、君に会いたいと思うだけ
結局は臆病な自分に嫌気がするだけ、
狂っているのは自分。
だから・・・・・・
「もう、会えない------------」
狂っているのは誰で、歯車がずれたのはいつからか
きっと誰にも分からない。
それでも過去を変えたいと思う。
いつを?
変えたい?
どこから?
納得しない今に誰もがそう思う。
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